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OFFICINE UNIVERSELLE BULY

Officine Universelle Bulyオーナー ラムダン・トゥアミ氏 Special interview vol.1 

Officine Universelle Bulyオーナー ラムダン・トゥアミ氏  Special interview vol.1 

身につけると自分が少し特別な存在に思えてくる。そんな美容アイテムを取りそろえるフランスの総合美容薬局「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー」。美容通が信頼を寄せるスキンケア効果とともに、古風なボトルや容器のデザインが男女を問わず人気のブランドだ。そのビュリーのポップアップコーナーがラカグに登場。ビュリーの成り立ち、そして大切にしていることについて、オーナーのラムダン・トゥアミ氏がラカグのバイヤー須藤に語ってくれた内容を2回に分けてお届けします。

須藤 「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー」(以下、ビュリー)はスキンケア用品から香水、櫛、オーラルケア用品まで実に幅広いアイテムを扱っているけれど、どんなブランドなの?

ラムダン ビュリーの歴史は19世紀初頭のパリで、ジャン=ヴァンサン・ビュリーという調香師がヴィネガーをベースにした香水(香り酢)を考案したことから始まった。当時、この香水は目新しくて大ヒット。ビュリー氏は一躍、当時のパリの名士になるんだ。19世紀フランスの文豪、オノレ・ドゥ・バルザックが小説の主人公に起案/起草したくらい時の人だったんだよ。しかしその後、時代の背景とともに衰退してしまい、現存していたのはたったひとつの香水だけだった。僕はバルザックの本を読んで初めてビュリーの存在を知って、この数奇な運命を辿ったビュリーを今に蘇らせてみたいと思ったんだ。

須藤 もともと美容業界での活動が長かったの?

ラムダン いや、むしろファッション畑。AndAのコンセプトを作り上げ、イギリスの老舗百貨店リバティ、同じくフランスの老舗百貨店ボンマルシェのバイヤーも務めた。2014年にビュリーを立ち上げる直前は、17世紀誕生のフランスのロウソクのメーカー「シール・トゥルードン」のブランディングを一任されていた。やっていることがバラバラのように思えるかもしれないけど、一貫しているのはモノを売る場であるお店というものが大好きだということ。そして何よりも僕自身、お店でモノを買うのが大好き。

須藤 いつ頃からビューティー分野に関心をもったの?

ラムダン 2001年頃からかな、妻のヴィクトワール・ドゥ・タイヤックとともに世界各地で受け継がれてきた地域特有のビューティーシークレットをまとめてみたいというアイデアはあったんだ。ビューティーの百科事典のようなものを作ろうって。本のためにリサーチをしていたところ、ビュリーという歴史あるブランドに出会って、ならば古の昔から世界に伝わる伝統的な美容法を取り入れて、ビュリーをアップデートしようと考えたんだ。もともとのビュリー製品としては、唯一香水が現存していたけど、新生ビュリーでは最新の技術と最良の素材を活かした幅広いアイテムを提供しようって。

須藤 なるほど。商品は現在700アイテム以上あると聞いたんだけれど、本当?

ラムダン そう。ビュリーの商品構成は3つに分かれていて、ひとつはビュリーが独自に開発したもの。これには水性香水を始め、クレンジングミルク、ローション、中性石けん、フレグランスキャンドルなども含まれる。植物由来の原料を世界各地の生産者から取り寄せ、自然の恵みを生かしながらも最新技術をもってビュリーが作るオリジナルアイテム。使用している植物は有機栽培のものに限定しているけど、そのことを声高に伝えようとは思っていない。ビュリーにとって有機栽培は当然のことだからね。でも、ゆくゆくはエコサートのラベルを貼ることも視野に入れているよ。その方がお客さまが安心するだろうから。2つ目の商品群は、ビュリーのオリジナルパッケージに入っているけど何も手を加えていない植物や木の実から抽出したピュアオイルやクレイ、パウダーなど。世界各地の植物や木の実のオイル生産者と取り引きしている。そして3つ目が美容アクセサリー。長年作り続けられ、実用面で優れている櫛やフェイスブラシ、ボディブラシ、歯ブラシ、ネイルクリッパーなど身だしなみに欠かせないプロダクトを世界各地の職人さんから取り寄せているんだ。

須藤 こだわっているね。ビュリーの商品づくりで大切にしていることは何?

ラムダン 古くから存在する美容法には理由があるはず。それが途絶えないようにしたい。僕の母はモロッコ人で何でも周りにあるような便利なところに住んでいなかったから、暮らしに必要なものは自分で作ってきた。今、スーパーで売っている石油系成分でできた石けんは受け入れられないんだ。顔を清潔にするのであれば、モロッコで採れるアルガンオイルと粉状のクレイを混ぜて自分で洗顔料を作る。身の回りにあるもので工夫してきたんだ。今でもモロッコの農村地域に行けばそうした光景は見られるんだよ。日本にも「湯の花」のように温泉成分の沈殿物を粉状にして入浴剤に使う美容法が古くからある。こうした知る人ぞ知るビューティシークレットは世界にまだたくさん存在するんだ。ビュリーは商品を通してそれを伝えていきたい。いつも意識しているのは僕が自信をもって勧める商品であるのはもちろんのこと、生産者のみなさんも誇りをもって作ってくれる商品であること、そして何よりも使う人が買ってよかったと思えるものであること。これがすべて揃ったものがビュリーにとっての“ホンモノ”。

後半は4月20日ごろ公開予定

 

ラムダン・トゥアミ
1974年生まれ。モロッコ系フランス人。妻のヴィクトワール・ドゥ・タイヤックとともにオフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーのオーナー。ビュリーの商品ボトルやパッケージのデザイン、ショップのデザインまですべてをディレクション。パリ、ロンドン、ニューヨーク、東京、台北、ソウル、香港に続いて、京都にもショップがオープン予定。世界に眠る秘伝のビューティシークレットをビュリー独自にまとめた美の百科事典「Atlas of Beauty」が昨年刊行。

Interview & Writing / kanae hasegawa